一部上場企業勤務の夫と、定年前に離婚したら不利になりますか。

Q 夫は地元の一部上場企業に勤めていますので、定年後は多額の退職金が支給されるはずです。

ただ、まだ在職中なので、夫は離婚を急いでいるようです。今、離婚したら不利になりますか。

A 将来受給予定の退職金も、財産分与の対象とできる可能性がありますので、とくに不利になるようなことはありません。


 裁判例では、「近い将来に受領しうる蓋然性が高い場合」、すなわち近い将来に退職金を受給する可能性が高いといえる場合には、財産分与の対象となると判断されています。

 退職金は、一般に在職中の労働に対する賃金の後払いという性質を持つと解されています。そして、この退職金にも婚姻中の妻の家事労働など内助の功による寄与が十分にあるといえますので、分与の対象と考えられているのです。

  では、どのような場合に「近将来に受領しうる蓋然性が高い」といえるのでしょうか。たとえば、上場企業に長年勤め上げた定年間近の夫に受給予定の退職金がある場合、通常退職時期までに企業が倒産したり、夫本人が事故や病気で勤続できなくなるなどの事態になる可能性は少なく、近い将来に退職金を受領しうる蓋然性が高いといえるでしょう。 

 企業規模や勤続年数などにもよりますが、一般に、退職時期まで10年未満という場合には、将来受給予定の退職金を分与の対象とすることができないか検討する余地が十分にあります。


 また、夫が超優良企業勤務であったり、公務員である場合は退職までの期間が10年以上であっても、分与の対象とできる余地は十分にあります



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